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入門 お手当ての基本 ー 感覚を合わせることで初めて感じられる ー

お手当ては本能

頭が痛ければ頭に。
お腹が痛ければお腹に。
肩が疲れれば肩に。

気になるところに自然と手を当てる。
お手当ては動物がケガをした時に傷口を舐めて、回復を早める行動に似ている。
本能として備わっているので、教わらなくても子供も行う。

このお手当て。
どんな秘密があるのか。
何故、無意識に行っているのか。

その研究を続けてきた世界が、日本にある。

お手当ての技術を学ぶには時間が掛かる

僕はこの世界に2012年に入った。
一般的に10年といえば、ベテランと呼ばれてもおかしくない経験年数。
けれど、この世界は「初心者」と呼ばれるまでに10年掛かる。

「こうやるんだなぁ、お手当てって」

僕がそういう事が分かってきた氣になれたのは2025年。
つい最近である。

人より怠けていた訳ではない。
今でも週に一度は、往復5時間かけて稽古に行くようにしている。
一人の時に行う稽古時間も、3時間を切ることはほとんどない。
起きてからまず稽古をするし、夜布団に入ってからも体に氣を通す。

僕の成長が遅いわけではなく、みんな時間をかけて成長していく。
気付かなければずっとそのまま。
つかみどころが難しくも楽しい世界である。

お手当てを漠然と行っていた時期

お手当てと一言でいっても、体の使い方でとても効果に差が出てくる。
漠然と人に触れても効果は薄い。

僕は二宮整体アカデミーという場所から、この世界に入った。
手当ては感覚の世界なので、分からないままに練習する人が多い。
そのため、2,3年経って芽が出ない人の多くは辞めていった。

僕は一つのことしかできないタイプなので、働かずに身に付けることに集中した。
やっていることが少し体感できたのが9か月目。
それまでほぼ成長が見られず、生活費を含めて月10万円位減っていく現実は厳しかった。

やっていることが少し体感できたといっても、何が起きているか分からない。
けれど、手を当てた時に何となく心地よい。
そして、僕自身よく分からないけれど効果が出る。
その状態が5,6年続いた。

入門向けお手当ての方法

ある日、正確な手を当てる場所を教えてもらった。
でも、教えてもらった場所で手を当てても良く分からない。

今なら身体の使い方があっての、手の当て方だったと分かる。
身体の使い方を知らずにやっても一生できない。

けれど、研究する中で指の腹の中で一点。
教えてもらった場所とは別に、感覚が高まるところがある事に気付いた。
それは、ほぼ指紋の中心。

僕が行っている勉強会で初めて来た方に
「指紋の真ん中辺りの感覚が合う様に指を当てる」
と教えてみた。

するといきなり2,3年練習してきた人の様に、上手に手を当てられる。
さらに、体の変化まで感じ取れる人もいる。

それから50人以上の人にこの点を教えてきた。
驚くことに、例外なくみんなこの点が分かる。

多くの人が時間とお金を使い、身に付いていかない現実の中で続けるか辞めるか葛藤する。
それが感覚が鈍ってさえいなければ、5分も掛からずに伝えられる。

僕も少し体感できるようになるまでに多くの対価を払った。
それが何の苦労もなくできるようになるので少し嫉妬する。
さらに簡単にできてしまうので、何の価値もないかの様に扱われることもある。
それを見ると傷つく。なので教えたくない気持ちも強い。

けれど、手を当てることで何が起こっているのか。
この世界を知ろうと学び始め、出会う前に終わってしまう。
そういう人の多さがとても残念で、手当ての始めの方法として伝えるようにしている。
人間には手を当てて回復力を高める本能の力がある。

この力を効果的に使うには、感覚を集注させる必要がある。
この集注という感覚を体験する始めに、指紋の真ん中の感覚が高まる点を使って練習する。
たったこれだけのことで、成長速度に大きな差が生まれると思う。

まずは、入門としてここから始めるのがいいと思う。

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